訪問看護ステーションのぞみ【代表紹介】
【代表】前田由美子
代表メッセージ
訪問看護ステーションのぞみは、2015年7月に群馬県嬬恋村で開業しました。
嬬恋村や近隣地域のさまざまな方からのご支援を受けながら、今年で開業7年目を迎えようとしています。
当初は看護師4名・看護補助兼事務員1名の事業所だったのが、今では看護師は常勤・非常勤合わせて7名、介護ヘルパーなどの看護補助員や事務員が7名の組織へと成長しました。
小規模事業所にも関わらず現在まで事業を続けられたのも、ひとえに訪問看護のぞみを支えてくださる地域の皆さまのお力添えのおかげだと思っております。
雄大な自然に囲まれた嬬恋村に魅せられ、私がこの地に移住して十数年が経過しようとしています。
その間、仕事でも移住生活においても色々なことがありました。
ですが、嬬恋村でやりがいある仕事をしながら、四季折々の自然を楽しめる移住生活を思う存分味わえるのも、訪問看護や移住生活を通じて出会った皆さまのおかげです。
これからもご恩を忘れずに、訪問看護を通じて地域住民の方々のお役に立ち、地域医療・在宅医療の一端をになうことができれば嬉しく思います。
訪問看護ステーション起業までのストーリー
ここでは、私が訪問看護ステーションのぞみを起業するまでの経歴をご紹介したいと思います。
訪問看護・看護学校教員・精神科看護などの仕事を経験
専門学校を卒業後、東京都や埼玉県の病院にて形成外科・内科などでの勤務から私の看護師としてのキャリアが始まりました。
結婚・育児により一時臨床を離れますが数年で復帰し、当時住んでいた埼玉県の地元にある保健センターで働き始めます。
その保健センターで訪問看護に初めて従事することになり、その後も長年訪問看護師として経験を積みました。
訪問看護師を経験したあとは、次にリハビリ専門病院に転職をします。
理学療法士や作業療法士らと共に行うリハビリ看護を学び、その後看護専門学校の教員として老年看護学や精神科看護学を学生たちに教えることとなりました。
看護教員として過ごした数年は、様々な分野の看護学を改めて学び直し知識を広げることもでき、さらに学生から得られる刺激も多く、私にとって非常に充実した期間でした。
しかし、看護教員として学生の実習指導を行うために色々な病院を訪れ、臨床の看護を目の当たりにしたとき、これまでとは違う視点で見ている自分に気づきます。
今までの臨床経験ではあまり感じられなかった医療や看護の課題が明確になり、私の中に「もう一度臨床に戻り、医療や看護の課題に取り組みたい」という気持ちが湧いてきたのです。
そこで看護教員時代に学生指導でもっとも興味深く取り組んでいた「精神看護学」に関する知見や臨床経験を深めたいと考え、地元にある精神科病院に入職しました。
そこでは印象に残る数々の患者さんとのエピソードもあり、また志同じく今までの精神科医療の改善に取り組もうとする医師や看護師と奮闘する日々が、私を看護師として、さらに人としても一段と成長させてくれたのです。
精神科病院では、病棟師長・看護副部長を務めましたが、その後、精神科病院での臨床経験を教育に生かしたいという気持ちが強まり、古巣の看護専門学校に戻ってからは、精神科看護学の専任教員を数年務めました。
【人生の転機】群馬県嬬恋村に移住
もともとアウトドア派で若い頃からの趣味が登山やキャンプだったので、自然豊かな場所にいずれは定住したいと考えていました。
看護教員時代に学校の野外学習キャンプで嬬恋村バラキ湖に何度か訪れたことがあり、そこではじめて嬬恋村の自然を体感します。
豊かな自然、多種多様の山野草、街灯の少ない夜空に広がる満天の星空、澄みきった空気、荘厳な景色、高原野菜のおいしさ、そして何より地元の方々の温かさに感動し、いずれは嬬恋村で看護の仕事をしたいと思うようになりました。
嬬恋村への移住の思いを温めていたときにふとご縁があり、移住の夢が実現しました。
移住した当初は嬬恋村社会福祉協議会の訪問看護ステーションに入職し、のちに管理者を務めました。
嬬恋村の訪問看護で得られたもの
嬬恋村社会福祉協議会の訪問看護ステーションでは、地元の皆さんや懸命に働く医療・介護従事者の方々の力添えもあり、非常に内容の濃い数年を過ごすことができました。
移住生活が始まり初めは慣れない環境でしたが、仕事とプライベート両方で多くの方々がサポートしてくださり、移住生活の基盤を固めることができたと思います。
一方、嬬恋村で訪問看護に従事していくなかで、人口1万人に満たない地域(山間地域)での医療や看護・介護の課題にも気づきます。
その中で、看護・介護を必要とする方々に適切な医療や看護サービスが提供できるよう行政や地域の医療機関と連携をしながら訪問看護の質を上げ、サービスを改善する努力を積んできました。
嬬恋村は面積が337.58km2ととても広く、当時は訪問看護ステーションは嬬恋村には1つあるのみでした。
そのため、ひとつの訪問看護ステーションだけで嬬恋村の全エリアをカバーするのは、時には容易ではないこともありました。
また嬬恋村の冬景色は息をのむほど美しい反面、厳冬時期は降雪量も多く、気温も氷点下になることも珍しくありません。
そのような環境の中で、嬬恋村で訪問看護サービスを続けられたのも忙しい診療と並行してご利用者のご自宅に訪問診療をしてくださる医師や日常の介護や生活をサポートしてくれるヘルパー事業所・ケアマネジャー・行政機関の力があってこそだと実感しました。
訪問看護ステーションのぞみの起業
嬬恋村での訪問看護を通じて、多くのご利用者やご家族の方々との出会いから、本当にたくさんのことを学びました。
自然豊かな嬬恋村をこよなく愛する方、年長者を大切に敬い介護されるご家族、住み慣れた家で人生の最期をどうしても迎えたいと強く願う方、そのような方々との出会いが私自身の看護観を見直す良いきっかけを与えてくれました。
数々の印象的なご利用者やご家族との出会いからだけではなく、訪問看護の仕事で壁に直面するたびに、私はこう思うようになります。
- 私が理想とする訪問看護をさらに突き詰めて提供できないだろうか?
- 自分や家族が嬬恋村で看護や介護サービスを受けるときが来たら、どんなサービスを望むだろうか?
そんな自問自答を繰り返しながら、私はさらに思いを強くしていきます。
- 長年考えてきた、自分が受けたいと思う理想の訪問看護をより自由に提供したい
- 私は人生の最期を大好きな庭がある自宅で迎えたい。嬬恋村で療養生活を送りたい方、人生の最期を迎えたい人もたくさんいる。その時、嬬恋村でより充実した訪問看護サービスが受けられるよう、さらなる基盤を作りたい
この思いがだんだん強くなり、訪問看護ステーションのぞみの開業へとつながりました。
訪問看護のぞみの今とこれから
開業から6年が経ち、地域の皆さまにも訪問看護のぞみの存在がより知られるようになり、一緒に働くスタッフも増えました。
訪問看護に長年従事できることはとてもありがたいと思いながらも、訪問看護のぞみが提供するサービスも含めて、山間部にある地域での医療や看護・福祉サービスの課題を今も感じることがあります。
しかし嬬恋村や周辺地域の長野原町・草津町には在宅・地域医療に尽力する医師や医療・福祉関係者が多くおり、皆が地域を支える一つの大きなチームとなって、一歩一歩確実に嬬恋村や周辺地域の医療が充実していけると信じています。
今後も、地域の方々や医療・福祉関係機関に訪問看護のぞみの看護サービスを十分活用していただければと思います。
幸いにも訪問看護のぞみには、私が信頼する優秀な看護師や看護補助員が在籍しており、皆それぞれ自分の得意分野を活かしながら、いきいきと働いています。
訪問看護のぞみのスタッフにも「訪問看護のぞみで働くことができて良かった」と今後も感じてもらえるように、それぞれの心や体の健康を保ちながら長く働き続けることができる職場を作っていきたいと思います。
スタッフがやりがいを持って働ける環境を作り、訪問看護のぞみの看護や介護の質を上げ、それらをご利用者やご家族への看護・介護サービスやケアに還元することが、訪問看護のぞみ代表としての責務だと感じています。
- 住み慣れた自宅や地域で、家族や友人に囲まれながら、自分が望む療養生活を送りたい
ごく当たり前の「のぞみ」にできるだけ寄り添った看護が提供できるよう、今後も訪問看護のぞみスタッフ一同、努力していきたいと思います。
合同会社ライフサポートゆい
訪問看護ステーションのぞみ
代表 前田 由美子
代表【経歴】
- 昭和50年
東京警察病院高等看護学校卒業 - 昭和50年
東京警察病院 形成外科病棟 - 昭和53年
上尾市保健センター(老年訪問指導員) - 平成5年
のぞみ病院回復期リハビリテーション病棟 - 平成7年
上尾中央看護専門学校 専任教員(老年看護学・精神看護学担当)
- 平成15年
武蔵野病院 精神科病棟師長・看護副部長 - 平成18年
上尾中央看護専門学校 専任教員(精神看護学担当) - 平成21年
嬬恋村社会福祉協議会 訪問看護ステーションそよかぜ - 平成26年
同上 管理者定年延期退職 - 平成27年
合同会社ライフサポートゆい
訪問看護ステーションのぞみ開業
趣味・特技
・ガーデニング
あさま高原オープンガーデン推進協議会所属
・フラメンコ
・オカリナ演奏
・干俣清流太鼓
・登山・ハイキング
・書道(師範)
※写真はすべてイメージです。