ケアマネは介護支援サービスのケアマネジメントの専門家!嬬恋村のケアマネの事も知りたい!
こんにちは。訪問看護ステーションのぞみです。(@houkan_nozomi)
今回は、在宅介護や医療を受ける利用者さんや私たち訪問看護事業所にとっても欠かせない存在である「ケアマネジャー」さんの話です。
ケアマネジャーさんって、ケアマネさんのこと?介護保険サービスを使う時にお世話になるって聞いたことあるけど、嬬恋村にもケアマネさんっているんですか?
読者さん
はい、ケアマネジャーとはケアマネさんのことです。もちろん嬬恋村にも多くのケアマネさんがいて、普段から地域医療のチームの仲間として一緒に仕事をさせてもらっているんですよ。
管理者前田
今回はそんな在宅介護や医療には欠かせない存在である、ケアマネジャーさんについてまとめました。
ケアマネは介護支援サービスにおけるケアマネジメントの専門家!
ケアマネは2000年から施行された介護保険制度のもとで、
- 要介護者や要支援者に対して
- 介護保険制度内やそれ以外での必要な保健・医療・福祉サービスが受けられるように
- 「ケアの計画」や「ケア提供の調整役」を担う
ケアマネジャーの正式な名称は「介護支援専門員」といい、現場ではケアマネジャーを略して「ケアマネ」と言うことが多いです。
ケアマネの仕事をもう少し詳しく見てみると、以下のようになります。
①介護保険制度で「要介護」や「要支援」の認定を受けた人の相談や心身の状況に応じる
②要介護や要支援となった人が訪問看護や介護、デイサービスなどを受けられるようにケアプラン(介護サービス計画)を作成する
③ケアプランを実行するために市町村や看護・介護サービス事業者、施設などとの連絡調整を行う
なるほど…。要介護や要支援の方々が、必要な介護や医療サービスが受けられるように調整をしてくれるのがケアマネさんなんですね!
読者さん
そうなんです。私たち訪問看護も、要介護や要支援の方々のお宅にうかがう時は、ケアマネさんからご利用者の訪問看護の依頼を受けてからサービスの提供が始まるんですよ。
管理者前田
さて、ケアマネがケアプランに取り込む「介護保険のサービス」には以下のようなものがあります。
①自宅で利用するサービス
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション など
②自宅から通って利用するサービス
通所介護(デイサービス)、短期入所療養・生活介護(ショートステイ)など
③生活環境を整えるためのサービス
福祉用具貸与、住宅改修 など
④生活の場を自宅から移して利用するサービス
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設など
⑤介護予防のためのサービス
介護予防訪問看護、介護予防訪問入浴介護など
(引用・改編:独立行政法人福祉医療機構 サービス一覧/サービス紹介)
ケアマネは、要介護や要支援者の介護度や生活・身体状況に応じて、どのサービスを取り入れたらいいのかを総合的に考えてケアプランを作成します。
(引用:厚生労働省 介護支援専門員実務研修ガイドライン)
この時、ご利用者が抱く「こんな在宅介護や在宅医療を受けたい」という希望や介護度、生活や身体状況、家族の介護状況や関係性などの様々な条件をいかに的確にアセスメントし、本人に最適なケアプランが組めるのかがケアマネさんの力量によるといえるでょう。
実際、ケアマネはどんな仕事をしているの?
ケアマネの業務は、ケアマネが所属する事業所や施設別に考えると主に以下に分けることができます。
・居宅に関わる業務(自宅にいながらサービスを受ける)
・施設等に関わる業務(施設でのサービスを受ける)
それぞれの業務について見てみましょう。
居宅に関わる業務では「要介護・支援者」からの相談で始まる
(厚生労働省資料より)
居宅に関わる業務を行うケアマネは、主にケアマネ事業所と呼ばれる「居宅介護支援事業所」や介護予防支援を行う「地域包括支援センター」などに在籍しています。
居宅介護支援事業所とは介護保険制度で定められたサービス事業所のひとつで、そこに所属するケアマネが、自宅で受けられる介護サービスを紹介したり、ケアプランの作成とサービスの調整などを行います。
一方で介護予防支援を行う地域包括支援センターは、介護保険制度で要支援1や要支援2の認定を受けた人に対して、自宅で介護予防のためのサービスを利用できるように介護予防サービス計画書を立てて、サービスを提供する事業所との調整などを行っています。
居宅介護支援事業所や地域包括支援センターでも、まずは介護保険にて要介護や要支援となった人からの相談や受けたいサービスの希望を伺います。そして病気や障がいの状態や生活状況を見ながらどのような医療・介護サービスが必要かを考えます。
それらを元に「ケアプラン」を作成して、利用者の希望に沿えるものか、必要なケアが盛り込まれているかを利用者本人や訪問看護・介護事業所や介護老人福祉施設などの居宅サービス事業者に確認をしながら調整を行います。
これらの準備がすべて整ったらケアプランが交付されて、要介護・要支援者が居宅サービスを利用できるようになるのです。
施設等に関わる業務では「施設利用者」に対する支援を行う
(厚生労働省資料より)
施設等で働くケアマネの業務は、施設等のサービスを利用している利用者が自立した生活が送れるようにサポートするために「施設サービス計画書」を作るところから始まります。
ここでいう施設とは、以下のような施設を指します。
・介護老人保健施設(老健):在宅復帰を目指す要介護高齢者向け
・介護療養型医療施設(療養病床):介護度が高い要介護高齢者向け
・特定施設入居者生活介護:(介護付)有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム
・認知症対応型共同生活介護:要介護1以上の認知症の症状がある方向け
・小規模多機能型居宅介護:同一の介護事業者が提供するデイサービス・訪問ヘルパー・ショートステイ
・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス):デイサービスを中心にショートステイや訪問看護・介護を組み合わせて使えるサービス
これらの施設でケアマネは利用者の生活や病気・障がいの状況などから見える生活の課題を分析した上で「施設サービス計画書」などを作成します。
介護保険にも本当に色々なサービスがあるんですね!
たくさんある介護や医療サービスをそれぞれの利用者さんの状況を考えながら、ケアプランに組み入れていくなんて、ケアマネさんってすごいですね!
読者さん
本当にそう思います。
利用者さんそれぞれの希望や使える介護保険の限度額もあるので、それらを総合的に判断しながらケアプランを組めるのは、やはり介護支援サービスのケアマネジメントの専門家であるケアマネさんだからこそだといつも思っています。
管理者前田
ケアマネになるにはどんな資格や試験が必要なの?
ケアマネが作成するケアプランの内容によって、利用者の在宅や施設で受けられる介護・医療サービスが決められるため、在宅や地域医療を受ける利用者にとってはケアプランの内容がとっても大切です。
そのような重要なケアプランを作成する役割を担うケアマネの業務が、資格なく誰もができるわけではありません。
ケアマネになるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があり、この試験を受けるにはいくつかの条件(介護福祉士・看護師など国家資格があり5年以上の実務経験があるなど)があります。
この条件をクリアした人が試験に合格したあとは、都道府県ごとで行われる「介護支援専門実務研修」を受講・終了して都道府県への登録が済むと「介護支援専門員証」が交付されて、ケアマネの業務を行うことが可能になります。
ケアマネになるには試験に合格して、さらに研修を受ける必要があるんですね!
読者さん
(引用:厚生労働省 介護支援専門員実務研修ガイドライン)
ちなみに令和元年度に行われた「介護支援専門員実務研修受講試験」では41,049人が受験して合格者が8,018人(合格率19.5%)となっています。
>>厚生労働省 第22回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
この試験自体は平成10年度に始まって以来毎年試験が行われており、現在は全国で累計約70万人のケアマネが誕生しています。
ケアマネは指定された様々な資格を持つ人が受験でき、これまでの合格者のうち職種別の内訳で最も多いのが介護福祉士(44%)です。次に看護師・准看護師(23.9%)となっています。
嬬恋村にいるケアマネはどこで活躍しているの?
訪問看護ステーションのぞみがある嬬恋村では、どの組織や事業所にケアマネが在籍・活躍しているのでしょうか?
ケアマネが活躍している主な組織や事業所を見てみましょう。
嬬恋村社会福祉協議会 居宅介護支援事業所
嬬恋村にある社会福祉協議会は、嬬恋村の地域住民や医療福祉・行政関係者の協力からなる、地域住民が暮らしやすい村づくりを推進する民間団体です。
嬬恋村社会福祉協議会の介護保険事業のうち、主に「居宅介護支援事業」にあたる部署でケアマネが活躍されています。
ひだまりの森白樺荘 居宅介護支援事業所
嬬恋村の田代地区にある「社会法人のどか」が運営する、特別養護老人ホーム「ひだまりの森白樺荘」にも居宅介護支援事業所があります。そこにケアマネが在籍し、利用者の支援を行っています。
ひだまりの森白樺荘では特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービス、ショートステイ、ホームヘルプサービスなども利用できます。
なごみケアプラン 居宅介護支援事業所
なごみケアプランは、嬬恋村の今井地区にある「福祉サービスセンターなごみ」内にある居宅介護支援事業所です。
こちらにもケアマネさんが在籍しており、ケアプランの作成から介護の相談などを行っています。
福祉サービスセンターなごみのデイサービスセンター(通所介護事業所)では、独自のプログラムを取り入れたサービスが提供されています。またデイサービスを利用できる対象者の地域が嬬恋村(一部除く)以外にも草津町・長野原町(それぞれ一部地域除く)となっているのも特徴です。
ケアマネステーション かんばら
「ケアマネステーションかんばら」(合同会社 介護屋かんばら)は、以前嬬恋村社会福祉協議会で活躍されていたケアマネさんが独立して、2019年6月に開設された嬬恋村鎌原地区にある居宅介護支援事業所です。
サービス対象地域は、嬬恋村・長野原町・草津町の行政区となっており、介護や福祉領域の資格のあるケアマネが介護や福祉全般に対して広く相談に乗ってくれます。
嬬恋村には今回ご紹介したように、ケアマネが在籍する居宅介護支援事業所がいくつかありますが、長野原町や草津町など他の近隣地域にも同じく居宅介護支援事業所があります。
また群馬県のどの地域に、どのような居宅介護支援事業所があるかは、以下の表を見て知ることもできます。
群馬県内のお住まいの地域周辺の介護事業所などを検索する時には、以下のサイトも便利です。
他に居宅介護支援事業所を知る方法として、役場の介護保険を担当する課や地域包括支援センターに相談して、地域にある事業所リストを参考にすることもできます。
嬬恋村に限らず、居宅介護支援事業所を探す時には様々な方法を使ってみることをお勧めします。
介護保険制度のサービスを受けたいと思ったら何をすればいい?
色々な事業所や機関にケアマネさんがいるのはわかったのですが…、実際にケアマネさんにケアプランの作成を依頼して介護保険のサービスを利用したい時ってどうすればいいんですか?
読者さん
そう思う方もいるかもしれません。
まだ介護認定を受けていない場合は、
・市町村の介護保険担当窓口
・地域包括支援センター
・居宅介護支援事業所
などに直接相談をして「要介護・要支援認定」の申請を行うところから始まります。
さらに要介護・要支援認定の申請自体を相談した地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、介護保険施設などに代行を依頼することも可能です。
まずは役場の介護保険の担当窓口や居宅介護事業所、地域包括支援センターや利用している介護保険施設などに相談してみるといいんですね!
読者さん
それぞれの施設や事業所に相談をして対象となった場合には、要介護(要支援)認定の調査が行われます。
その結果、要介護1〜5、要支援1・2の区分に認定された時に、ケアマネさんが作成したケアプランに沿った介護保険サービスが受けられるようになります。
でも実際どのケアマネさんにケアプランを作成してもらうのがいいのか、迷ってしまうかも…。
読者さん
どのケアマネさんに依頼するのか迷ってしまう、これまで介護認定を受けておらず初めてサービスを使う時などは、自宅に近い場所にある居宅介護支援事業所や施設のケアマネさんを選ぶのも一つの方法です。
要介護や要支援の方々が在宅介護や医療を受けるにあたり、ケアマネさんとは長く付き合いが続くことが多いため、信頼ができて良い人間関係が築けるようなケアマネさんを選ぶことも大切でしょう。
まとめ:ケアマネはサービスの調整役として在宅介護・医療には不可欠な存在
ケアマネは介護保険制度で要介護や要支援を受けた人が、自宅で必要な看護・介護サービスが受けられたり、施設で自立した生活が送れるようにケアプランを作成して、適切なサービスが受けられるように調整する役割を持つ専門職です。
とくに嬬恋村のような、いわゆる僻地(へきち)と呼ばれる場所で受ける在宅介護・医療においてケアマネが果たす役割はとても大きいです。
訪問診療を行う医師や訪問看護師、訪問ヘルパーや事業所・施設との連絡調整を担う中心的な存在でもあるといえるでしょう。
嬬恋村だけでなく長野原町、草津町といった周辺地域にもケアマネ事業所や地域包括支援センター、施設などにケアマネが在籍しています。
利用者側としても、ケアマネの仕事内容や嬬恋村や周辺地域にも多くのケアマネがいることを知り、自分が望む在宅や施設での療養生活が送れるように、ぜひ身近なケアマネに相談をしてみて下さい。
訪問看護ステーションのぞみも地域の複数のケアマネさんと普段から連携を取っていますので、「ケアマネにケアプランを依頼したい」などご質問があれば、できる限りお答えできればと思います。
また他にも訪問看護についてご質問がありましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
訪問看護ステーションのぞみ
参考サイト:独立行政法人福祉医療機構 WAM NET