気になる訪問看護の費用。実際どれくらいかかるの?
訪問看護のイメージはなんとなく分かってくると、次に気になるのが費用のこと。
「訪問看護を受けたいけど、費用が気になる…」そんな人も多いはずです。
今回は、一番気になる「訪問看護の利用料金」についてまとめました。
訪問看護を依頼するときの参考にしてください!
ズバリ!訪問看護にかかる費用はこれくらい
訪問看護を利用するときにかかる費用は、自己負担として原則1割〜3割となります。
さらに、お持ちの保険証が介護保険なのか、医療保険なのか、また所得や年齢などによっても、自己負担にかかる割合が変わります。
ややこしいですね・・・。
それでは、介護保険で、訪問看護ステーションのぞみの訪問看護を受けた場合のひと月にかかる費用の一例を挙げましょう。
<介護保険を使って訪問看護ステーションのぞみからの訪問看護を受けたとき>
1週間のうち1回1時間の訪問看護を受けるとき(ほかに加わる料金がない場合)
●介護保険(1割負担) 1回1時間 約942円
●医療保険(3割負担) 1日につき 約3,000円
※負担の割合や金額は、制度が変わると変更になります。
なんとなく、「これくらいかかるんだな〜」とイメージがついたかと思います。
訪問看護にかかる費用のポイント
訪問看護の費用は、介護保険を使うのか・医療保険を使うのか・訪問時間はどれくらいか、などによって変わってきます。
とくに、新しく訪問看護を使うとき・緊急で訪問看護に来てもらうとき・ある特定の場面で利用するときは、それに応じた料金が加わっていくのが特徴です。
訪問看護の内容によって「単位」(1単位=10円)が決まっていて、この単位をもとに料金が決まります。
※介護保険の場合は、訪問看護を受ける地域によって、1単位あたりの金額が違います。
ちなみに訪問看護ステーションのぞみがある地域は、「特別地域訪問看護加算」の対象地域です。
この「特別地域訪問看護加算」は、山間や離島、豪雪地帯、過疎地などの法で指定された地域にある訪問看護事業者が対象となるものです。
そのため、介護保険ではサービス費用の15%が加算されることになっています。
介護保険の場合
介護保険で訪問看護が利用できるのは、このような方です。
- 第一号被保険者(65歳以上):要介護認定を受けて「要介護1〜5」または「要支援1・2」と認定された方
- 第二号被保険者(40〜65歳):特定の疾患を持っている方で「要介護1〜5」または「要支援1・2」と認定された方
負担額はどうなるの?
所得によってサービスを利用したときにかかる自己負担の割合が異なります。
自己負担額が、1割・2割・3割の方がいて、2割の方は1割の方の2倍、3割の方は3倍となります。
介護保険を使って訪問看護ステーションのぞみのサービスを受けた場合には、以下のような自己負担額となります。(特別地域加算15%が含まれています)
看護師が訪問するとき
<訪問看護> 要介護1〜5の方
時間 | 料金 | 自己負担額(1割) |
20分未満 | 3,590円 | 359円 |
30分未満 | 5,390円 | 539円 |
30分以上60分未満 | 9,420円 | 942円 |
60分以上1時間30分未満 | 12,900円 | 1,290円 |
<予防訪問看護> 要支援1・2の方
時間 | 料金 | 自己負担額(1割) |
20分未満 | 3,460円 | 346円 |
30分未満 | 5,160円 | 516円 |
30分以上60分未満 | 9,090円 | 909円 |
60分以上1時間30分未満 | 12,470円 | 1,247円 |
これらの自己負担額に加えて、特定の条件を満たすと、状況に合わせて次のような加算料金が加わっていきます。
- 緊急時訪問看護加算Ⅰ:月1回加算 5,740円
- 新しく訪問看護を始めるとき:3,000円
これらの加算された料金も、自己負担額が1割の方は1割負担となります。
医療保険の場合
難病の方、がんの末期でターミナルケアを受ける方、主治医から「特別訪問看護指示書」が交付された方は、医療保険で訪問看護を受けることになります。
医療保険には以下のようなものがあります。
- 健康保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療保険
医療保険の負担額は?
医療保険を使うときは、自己負担は1割〜3割で、利用する医療保険の種類により負担額が違います。
●75歳以上の後期高齢者:1割 (現役並みの所得がある人:3割)
●社会保険・国民健康保険
・70〜74歳の高齢受給者:1割 (現役並みの所得がある人:3割)
・70歳未満:3割 (就学前は2割)
金額 | 1割 | 2割 | 3割 | ||
訪問看護基本療養費(Ⅰ)
(1日につき) |
週3日まで | 5,550円 | 555円 | 1,110円 | 1,665円 |
週4日以降 | 6,550円 | 655円 | 1,310円 | 1,965円 |
(※ほかに訪問看護基本療養費Ⅱ・Ⅲなど、さまざまな料金加算があります。)
この訪問看護療養費に加えて、訪問看護管理療養費(月の初日7,440円、2日目以降が1日3,000円)が加わります。
さらに特定の条件や状況に応じて、以下のような加算が追加されます。
- 緊急訪問看護加算:2,650円
- 複数名訪問看護加算:3,000円(看護師+看護補助者の場合)
- 夜間・早朝・深夜加算:夜間早朝…2,100円 深夜…4,200円
- 24時間対応体制加算:6,400円/日
少し例をみてみましょう。
例)週1回医療保険で訪問看護を利用で24時間対応の契約をされている方
基本療養費:5,550円×4=22,200円
管理療養費:7,400円+2,980円×3=16,340円
24時間対応加算:6,400円
合計:44,940円
この実際に訪問看護を利用した金額の合計から、自己負担(1〜3割)に応じた金額になります。
1割負担:4,494円
2割負担:8,988円
3割負担:13,482円
医療保険が適用されない料金(自費)
さらに医療保険が適用されない部分もあります。
- 1時間30分を超えた場合に30分ごとに:2,000円
- 希望による訪問看護(のぞみの場合):5,000円
- エンゼルケア(のぞみの場合):10,000円
- 交通費(のぞみの場合):嬬恋村・長野原町・草津町…無料 実施地域を超えた地点からは片道1kmあたり40円
介護保険の自己負担限度額とは?
介護保険では、ひと月で利用できる介護サービスの上限額(支給限度額)が決まっています。
この限度額内であれば、介護保険サービスを1割〜3割の自己負担で受けることができます。(所得によって割合は違います)
訪問看護もこの限度額以内であれば、自己負担額は1割〜3割になります。
介護度 | 支給限度額 | 自己負担(1割) | 自己負担(2割) |
要支援1 | 5,032単位 | 5,032円 | 10,064円 |
要支援2 | 10,531単位 | 10,531円 | 21,062円 |
要介護1 | 16,765単位 | 16,765円 | 33,530円 |
要介護2 | 19,705単位 | 19,075円 | 39,410円 |
要介護3 | 27,048単位 | 27,048円 | 54,096円 |
要介護4 | 30,938単位 | 30,938円 | 61,876円 |
要介護5 | 36,217単位 | 36,217円 | 72,434円 |
介護保険の利用者は、この限度額のなかでさまざまなサービスが受けられるように、担当のケアマネージャーがどのようなサービスを受ければいいのかプランを立ててくれます。
医療保険の場合は、介護保険にあるような月の支給限度額はありません。
なかには、介護保険や医療保険を自己負担額で利用していても、その料金が負担になる人もいます。
その場合は、所得により負担を減らすための対策が適用されることもあります。
まとめ
介護保険・医療保険をどちらを使うにしても、どのくらい費用がかかるのか、イマイチ分かりづらいところがありますよね。
しかも、利用者の介護度・所得・病状・年齢などから自己負担額や毎月の利用回数、訪問看護師の滞在時間にも制限があります。
費用についてわからないことがあれば、担当のケアマネージャーや訪問看護師などにその都度聞いていくのが一番です。
気軽に相談してみてくださいね!
訪問看護ステーションのぞみ