訪問看護の保険適用外サービスとは?【オーダーメイド看護が受けられる】
こんにちは。
群馬県嬬恋村にある訪問看護ステーションのぞみです。(@houkan_nozomi)
さて、今回は「訪問看護の保険適用外(自費)サービス」のお話です。
訪問看護って介護保険や医療保険制度でしか、使えないって思ってました!
保険適用外サービスって、自費で支払って受ける医療のことですよね?
訪問看護でもこのサービスが受けられるんですか?
読者さん
そうなんです。
保険適用外サービスを設けている訪問看護の医療機関や事業所で、誰でもサービスを受けることが可能です。
実は訪問看護ステーションのぞみでも同様のサービスを受けることができます。
今回は、そんな訪問看護の保険適用外サービスについてご紹介します。
訪問看護の保険適用外サービスとは?
訪問看護の保険適用外サービスとは、
介護保険や医療保険制度を使わずに利用できる、全額自己負担となる訪問看護サービス
のことです。
ほかにも提供する医療機関によっては以下のような名称が付けられています。
- 自費型訪問看護サービス
- プライベート訪問看護
- パーソナル訪問看護
- オーダーメイド訪問看護
なるほど〜。
自費で受けられる訪問看護にいろいろな呼び方があるのも知りませんでした!
読者さん
保険適用外サービスの特徴
訪問看護の保険適用外サービスには主に以下のような特徴があります。
- オーダーメイド看護が受けられる
- 看護サービスにかかる費用が全額自己負担
- 介護・医療保険のほかの在宅サービスと併用できる
- 自宅・施設以外の場所でも訪問看護が受けられる
これらの特徴を順番に見ていきましょう!
オーダーメイド看護が可能
保険適用外サービスの大きいな特徴に
介護保険や医療保険の制度にしばられずにご利用者やご家族の希望にそった完全オーダーメイドの看護が受けられる
ことが挙げられます。
つまり、介護保険や医療保険制度のもとで受ける訪問看護の内容や提供時間の制限がなくなるわけです。
訪問看護を受ける条件も原則以下のような項目に関わりなく、ご利用者やご家族の希望にそった看護を受けることができます。
- 年齢
- 病気や障がいの程度
- 介護度
- 利用時間
- 利用回数
- 訪問看護内容
- 訪問看護を受ける場所
保険制度を気にせずに受けたい看護が受けられるのは嬉しいですね!
読者さん
訪問看護費用が全額自己負担
保険適用外の訪問看護では、提供された看護サービスにかかる費用が全額自己負担になります。
なぜ自己負担になるかというと、繰り返しになりますが介護保険制度や医療保険制度を使わずに看護サービスを受けるからです。
通常の訪問看護では、介護保険や医療保険制度を使って訪問看護が提供されるので、実際にご利用者が支払う費用は1〜3割負担となっていますよね。
しかし、保険適用外になると○割負担とならずに希望する訪問看護サービスの全額を負担する必要があります。
ほかの在宅サービスと併用できる
訪問看護の保険適用外サービスに見られるほかの特徴として、以下も挙げられます。
- すでに利用している介護・医療保険の在宅サービスと併用できる
- 主治医が交付する訪問看護指示書が原則いらない(医療行為に関しては必要)
- 介護保険制度のような審査や認定が不要
たとえば介護保険制度のもとですでに在宅サービスを受けている場合、いろいろな理由で訪問看護を多く受けたいと思っても保険でまかなわれる部分については限度額が設定されています。
しかし、追加で必要な訪問看護を受けたい場合には、すでに使っている在宅サービスに加えて保険適用外サービスを受けることができるのです。
また、通常の訪問看護では主治医の訪問看護指示書が必要になりますが、原則保険適用外では指示書は必要ありません。
(ただし医療行為に関しては必要な場合があります)
さらに介護保険の申請や認定を必要ないため、希望する看護内容と提供する側のタイミングが合えば、よりスピーディーに訪問看護を受けることもできるわけです。
自宅・施設以外の場所でも訪問看護が受けられる
保険制度のもとで訪問看護を利用するときは、ご自宅や入所されている施設でサービスを受けることが多いです。
しかし保険適用外サービスであれば、以下のような自宅や施設以外の場所でもサービスを受けることが可能です。
- 通院・入院している病院(条件による)
- 外出・外泊先の特定の場所や移動途中の場所 など
自宅や施設以外でも自分が看護を受けたい場所でサービスが受けられるなんて、便利なんですね!
読者さん
さて、ここまで適用外サービスの主な特徴を見てきましたが、最後に押さえておきたいポイントとして、
- すべての訪問看護ステーションがサービスを提供しているわけではない
- 提供されるサービス内容や費用の設定もさまざま
という点があります。
訪問看護の保険適用外サービスは広く行われているサービスではないため、すべての医療機関や訪問看護事業所が取り組んでいるものではありません。
また、医療機関や事業所の経営方針などによって、独自に設けられているサービスの内容や費用設定もさまざまであり、費用対効果を考えながら選ぶサービスであるといえるでしょう。
実際の訪問看護の保険適用外サービスの内容は?
訪問看護の保険適用外サービスの特徴は理解できました!
でも、実際にはどんなサービスが受けられるんですか?
読者さん
ここでは、そのような疑問にお答えしていきます。
保険適用外サービスの基本的な内容は、介護・医療保険制度のサービスと同様です。
- 医師の指示に基づく医療行為
- 療養上の世話
- 生活環境の改善
- 身の回りの世話
訪問看護の保険適用外サービスもこれらに関連した看護にはば広く対応していきます。
では実際にどんなサービスが受けられるのか、例を挙げて見ていきましょう。
【自宅・施設・病院など】自由に看護サービスを受けたい!
自宅や施設などで保険適用外サービスを利用するときというのは、以下のような場面を想定することができます。
✔️普段の訪問看護だけでは時間が足りないから、もっと訪問に来てほしい!
✔️家族が行う介護や看護の指導やアドバイスを、しっかり時間をかけてしてほしい!
✔️(介護者)自分の時間を作りたい。自分が外出するときに家族の介護や看護をお願いしたい
✔️離れて住んでいる家族が安全に暮らしているか、定期的に確認するための訪問をしてほしい
✔️最後の看取りの時期に、より頻回な訪問看護を希望したい
病院や施設で過ごしているが、より安心した療養環境で過ごせるよう支援してほしい
病院に入院中、もしくは施設に入所している方も保険適用外の訪問看護を受けることもできます。
しかし施設や病院側の条件にもよりますので、事前に調整が必要になります。
病院や施設で受ける保険適用外の訪問看護には、たとえば以下のような状況も考えられます。
✔️看護師が日中のみ働いている施設で過ごしている。看護師がいなくなる夜間の医療的処置(吸引や褥創処置など)やケアを頼みたい
【通院など】高齢夫婦だけでは心細い。看護師同伴してほしい
病院を受診するときや退院・転院するときも、訪問看護の保険適用外サービスを受けることができます。
✔️外来通院を続けているが、高齢なため診察時に不安を感じる。診察を受けるサポートをしてほしい
✔️病院で受ける検査結果や病状説明、保健指導がきちんと理解できているか不安。看護師に同席してもらい、あとで家族にもわかりやすく説明してほしい
✔️専門医がいる専門病院へ通院・転院することになった。不安なので付きそってほしい
とくにご高齢の夫婦だけの受診や転院、退院の手続きなどは、身体的・精神的にも負担が多い場合があります。
そのような場合のサポート役として保険適用外の訪問看護を利用することも可能です。
【外出など】万が一に備えて同伴看護をお願いしたい
この外出や外泊時の看護サポートなどは、訪問看護の保険適用外サービスとしてもっとも特徴的でご利用者に求められているサービスといえるかもしれません。
✔️電車やバスなどの公共交通機関や自家用車を使って出かけるときのサポートをしてほしい
✔️行きたい場所や食べたいものがある。外出や買い物、外食などの付きそいをしてほしい
✔️親戚や友人の家を訪問するときの支援をしてほしい
✔️家族の結婚式に参加したい。冠婚葬祭に参加するサポートを頼みたい
✔️国内や海外旅行で思い出を作りたい。旅行の付きそいをしてほしい
たとえば長く在宅療養している方が家族の結婚式に参加したいという場合、外出や式の参加に不安を抱えることは容易に想像できます。
そこで万が一体調が悪くなったときにすぐに対応できる看護師に同伴してもらい、安心して外出をすることもできるわけです。
訪問看護の保険適用外サービス費用
最後に、訪問看護の保険適用外サービスの費用について見てみましょう。
基本的には、
- ご利用料金=時間単価(1時間の費用)× サービスを提供した時間
- 消費税、訪問にかかる交通費、看護やケアにかかる材料費など
などの費用がかかります。
訪問看護の時間単価やほかにかかる費用、設定される時間も医療機関や事業所によってさまざまです。
時間単価の例として、
✔️1時間 5,000円〜9,800円
✔️追加で30分ごと:
3,500円〜4,000円
✔️一時的な利用:
1時間:8,000円 など
があります。
ほかにも、提供する時間帯によって費用が加算される場合もあります。
例)
- 早朝 6:00〜8:00
(割増25%)
- 夜間 18:00〜22:00
(割増25%)
- 深夜 22:00〜6:00
(割増50%)
また、訪問看護の利用時間が長くなるほど、1時間あたりの訪問看護利用料金が下がる設定をしている訪問看護ステーションもあります。
時間単価や提供時間以外にも、
以下のような料金も設定しているところもあります。
- 移動交通費や移動先での諸経費
- 車での訪問のガソリン代
- 駐車場利用料金
- 日常生活上に必要な物品の実費
- 処置などに使用した医療材料や消耗品など
これらの料金設定については、それぞれの医療機関や訪問看護ステーションによって異なります。
利用されるときには、訪問看護内容や時間単価、時間数について事前の細かい確認と調整が不可欠であるといえるでしょう。
訪問看護のぞみの保険適用外サービス
訪問看護ステーションのぞみでも、訪問看護の保険適用外サービスを利用することが可能です。
訪問看護のぞみでは、1時間5,000円(2020年9月現在)にて保険適用外の看護サービスを提供しています。
実際には訪問看護のぞみの訪問地域の特性上、以下のようなご利用者やご家族のご利用を想定しています。
✔️農業の繁忙期にだけ、いつもより多い回数で訪問看護をお願いしたい
✔️遠方に住む親戚を訪ねるときに、介護(排泄ケアや吸引など)を一時的にお願いしたい
✔️高齢夫婦もしくは1人では心配なため、病院の受診や転院の付きそいをしてほしい
もちろん、これら以外の状況でもご相談の上、お引き受けすることはできます。
ただし急な依頼にはお応えしかねる場合がありますので、必ず事前にご相談していただいた上での保険適用外サービスのご利用をお願いしております。
サービス提供までの流れ
訪問看護ステーションのぞみの保険適用外サービスを受けたい場合、原則、以下のような流れで相談から契約までを進めていきます。
問い合わせ・相談
まずは電話やメール、FAXなどでお問い合わせ下さい。
以下の内容を確認させていただきます。
- 自費サービスを受ける目的
- ご利用者やご家族の希望
- ご利用者の状況・必要なケア
- 希望の訪問看護の回数や時間
- 主治医や担当ケアマネ
電話:0279-82-5388
(受付時間:9:00〜17:00)
相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
事前訪問・打ち合わせ
訪問看護師がご利用者の自宅、または療養されている場所にうかがいます。
ご利用者やご家族にお会いして、実際の療養状況や細かいご希望などを含めた相談をお受けします。
保険制度との併用を希望する場合は、担当のケアマネや主治医などともケア内容について相談・連携し、具体的な看護プランを立案して想定できる見積もり案をご提案します。
必要とする看護に医療的行為が含まれる場合は、主治医からの訪問看護指示書が必要です。
契約後、保険適用外サービスの開始
看護プランと契約内容について同意が得られましたら、必要事項等の契約書を交わします。
ご希望の時間と場所で訪問看護サービスを提供いたします。
まとめ:保険適用外サービスは個別性の高い看護や介護が受けられる
実際、訪問看護の保険適用外サービスを提供している医療機関はまだ多くはなく医療機関も限られているのが現状です。
しかし「必要な時に必要な時間数、自分が希望する場所」で介護や医療保険制度ではなかなか手の届かない部分をカバーしてくれるご利用者の満足度が高いサービスともいえるでしょう。
お住まいの地域で訪問看護の保険適用外サービスを受けたい場合は、まずは地域にサーヒスを提供している訪問看護ステーションがあるかどうか調べてみてください。
またはすでに利用している訪問看護ステーションがあれば、保険適用外のサービスが利用できるか相談してみましょう。
訪問看護ステーションのぞみでも保険適用外サービスを行っており、通常の介護・医療保険制度との併用も可能です。
ぜひ、ご相談いただければと思います。
訪問看護の保険適用外サービスなどについてご質問がありましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
訪問看護ステーションのぞみ
※訪問看護の保険適用外サービスに関しては、提供する医療機関や事業所によって内容や料金等が異なります。またご利用者の病状や生活状況、主治医の意見等で提供できるサービスが異なる場合もありますので、実際にサービスを希望される場合は医療機関や事業所の担当へ事前に相談を行うようお願いいたします。