障がい者支援を行う【西部相談支援センター】とは?
こんにちは。訪問看護ステーションのぞみです。(@houkan_nozomi)
さて今回は、嬬恋村社会福祉協議会内に昨年新たにオープンした「西部相談支援センター」について解説します。
昨年の「嬬恋村広報」で「村内に西部相談支援センターが開設される」と書いてあったのを覚えています。
実際にどんな相談ができるのでしょうか?
読者さん
西部相談支援センターでは障がいに関するさまざまな悩みごとを専門の相談員に相談できるんですよ。
管理者前田
嬬恋村や周辺地域にお住まいの方でも西部相談支援センターについてあまり知らない、という方も多いと思います。
今回の記事では西部相談支援センターの概要をまとめました。
【2020年9月】西部相談支援センター開設!
昨年9月にオープンした西部相談支援センターは嬬恋村の大前地区にある嬬恋村社会福祉協議会内に設置されました。
支援センターでは障がいのあるご本人や支えるご家族が、安心して地域で生活できるように「相談支援専門員」が生活全般の相談に応じ、障害福祉サービス利用の調整や情報提供などの支援をおこなう機関です。
ここでの障がいとは「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」を指し、その種別や程度は問いません。
また、障がいのある方が高齢で介護が必要な場合や家族メンバーに障がいの疑いのある方がいる場合などの支援も総合的におこないます。
本人や家族の状況や必要に応じて、障害福祉・教育・保健・医療機関などと連携をとり、生活の中のさまざまな心配ごとや問題の解決に向けて支援をおこなう機関となっています。
西部相談支援センター開設の経緯
実はすでに吾妻地域には相談支援センターや相談支援事業所があり、活動がおこなわれていました。
吾妻6町村の相談窓口として東吾妻町地域にある「あがつま相談支援センターやまばと」と「大原荘相談支援事業所」の相談支援専門員5名が吾妻地域すべての相談支援を担当していた背景があります。
・中之条町
・長野原町
・嬬恋村
・草津町
・高山村
・東吾妻町
しかし吾妻地域といっても範囲はかなり広く、相談ごとすべてをカバーするのは易しいことではありません。
とくに嬬恋村のある西吾妻地域から相談支援センターのある東吾妻町や中之条町方面へ相談に出向くには、どうしても時間がかかってしまいます。
そこで西吾妻地域にも身近に相談できる支援センターが必要ということで、新たに西部相談支援センターを嬬恋村内にオープンし、吾妻地域全体を相談支援専門員7名体制で支援する仕組みとなったわけです。
これで西吾妻地域に住んでいる方など、以前は身近に相談できる場所がなく困っていた方も相談場所が近くにできたことで問題解決のための支援がより受けやすくなったといえます。
西部相談支援センターではどんな相談ができる?
西部相談支援センターでは、障がいのある方やご家族が抱える生活全般のさまざまな悩みごとを相談することができます。
相談に来られる対象者として、以下のような場合も想定しています。
・障害福祉サービスなどの支援をこれまで一度も受けたことがない
・介護や児童に関わる分野で支援が必要で、本人や家族に障がいのある可能性がある
ほかにも
「障害福祉サービスを利用したい」
「日中に活動できる場所が知りたい」
「仕事をしたいがどこから始めればいいか分からない」
「一人暮らしをしたい」
「専門機関を紹介してもらいたい」
などさまざまな相談を西部相談支援センターで行うことができます。
管理者前田
訪問看護ステーションのぞみのご利用者のなかにも、本人やご家族に障がいのある可能性があり、医療や福祉の支援が必要だったにも関わらず、さまざまな理由でこれまで支援が受けられなかった、という方も少なくありません。
そのように困っている方が地域に実際にいらっしゃることを考えると、
・相談できる場所があるのか、どんなサービスが受けられるのか分からない
・医療や福祉サービスを受けていたが問題が解決できなかった
など、困りごとのあるご本人やご家族にとって西部相談支援センターのような存在は大きいといえるでしょう。
これまで解決できなかった本人や家族の問題を専門職に相談することで問題の本質が明らかになり、関連する医療・福祉機関の連携した支援を受けることで問題解決への道筋もより立てやすくなるわけです。
西部相談支援センターはどこにある?いつ相談できる?
西部相談支援センターは嬬恋村社会福祉協議会内に設置されています。
名称:西部相談支援センター
場所:嬬恋村社会福祉協議会内
相談時間:8:30〜17:30(土日・祝休)
住所:嬬恋村大前1110-1
電話:0279-96-1681
メール:seibusoudan@titan.ocn.ne.jp
相談方法:来所・電話・訪問など
来所だけでなくメールや電話でも相談ができるので「なかなか行きにくい」という方でも、初回相談はしやすいかと思います。
また西部相談支援センターの相談者の対象はおもに西吾妻地域となりますが、それ以外の地域では以下の相談支援センターや事業所が主となります。
相談時間:8:30〜17:15
(月〜金、事前予約で土日対応可)
住所:〒377-0425 中之条町西中之条240-3
電話:0279-25-8004
メール:yamabato-soudan@dan.wind.ne.jp
相談方法:来所・電話・FAX・メール・相談員訪問など
※障がいの内容は問わず、子どもから大人まで対応可能
【利用するメリット】専門職に相談ができる
西部相談支援センターを利用するメリットの一つに、障害者支援の専門職である「相談支援専門員」に直接相談できることが挙げられます。
相談支援専門員とは「障がいのある人が自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう、さらに家族にも必要な支援が受けられるように全般的な相談支援をおこなう」専門職です。
具体的な相談支援の内容は以下のとおりです。
・地域相談支援:地域で自立して生活するための相談支援
地域移行支援(施設や病院から地域へ)
地域定着支援(地域生活の継続のため)
・計画相談支援:それぞれ適した障害福祉サービス利用を支援
サービス利用支援
(利用開始までサポート)
継続サービス利用支援
(サービスの継続を支援)
・障害児相談支援
それぞれの障がいや本人やご家族の状況を考慮しながら、適切な支援方法を検討していきます。
このように相談支援専門員は障害者支援のエキスパートです。
相談支援専門員になるには、障がい者の保健や医療、福祉、就労、教育の分野での相談支援・介護などの業務における実務経験(3〜10年)が求められ、相談支援従事者初任者研修の受講が必須です。
さらに相談支援専門員としての質を維持するために5年ごとの更新制になっているのも特徴です。
相談支援専門員は比較的新しい職業であり、障害福祉サービスを利用する人が増えている中で注目されている職種でもあります。
そのような専門職に直接相談できる相談支援センターは、障がい者や支える家族と障害福祉サービスの重要な橋渡し役として今後さらにニーズが高まっていくといえるでしょう。
参考:日本相談支援専門員協会
地域の障がい者相談支援の中心
嬬恋村にある西部相談支援センターでも、相談支援専門員がすべての障がいの方を対象に相談支援をおこないます。
障がいの種別や程度に関係なく中立的な立場で助言をし、必要な支援が受けられるようにほかの相談支援事業所や行政・福祉・医療機関や福祉サービス事業所と連携をとることから、西吾妻地域にとっても非常に頼りになる機関です。
実際に、訪問看護ステーションのぞみのご利用者で精神疾患をお持ちの方が相談支援センターの支援を受けて生活上の問題が解決したり、なかには仕事に就いて新たな生きがいを得ている方もいらっしゃいます。
「障がいがあって生活がしづらい」
「生きづらさを感じている」
「仕事に就きたい」
「生きがいを得たい」
など、さまざまな思いを抱えている方にとって、相談支援センターの存在はやはり大きいと訪問看護側から見ても強く感じています。
おわりに
障がいを持つ方や家族の生活の困りごとを解決に導く、地域の身近な相談窓口である相談支援センターでは相談料はかかりません。
もちろん個人の秘密は守られるので安心して相談できます。
最近では障害福祉サービスの利用者は年々増えており、相談支援を行う事業所も増加しています。
そのような背景からも障がいを抱える方や家族の支援を継続的に行える機関として、相談支援センターの活躍が期待されているのは間違いなく、嬬恋村に西部相談支援センターがオープンしたことは大きな意味があると思います。
訪問看護ステーションのぞみでは、開所当時より精神科訪問看護を積極的に行っております。
今後も訪問看護サービスを提供する医療機関として、西部相談支援センターやほかの相談支援センター・事業所と情報共有・連携をしながら、ご利用者やご家族の支援を行なっていきたいと思います。
嬬恋村や周辺地域の訪問看護・介護、うつ病や統合失調症・認知症などの精神科訪問看護などについて、ご質問がありましたらこちらよりお気軽にお問い合わせください。
訪問看護ステーションのぞみ
※写真はすべてイメージです。