訪問看護師はどんなことをしてくれるの?〜Part.1〜
訪問看護師が家にきてくれるっていうけど、実際にはどんなことをしてくれるのかしら?
ご利用者
訪問看護は、医師の指示のもと看護師が病気や障害を持つ方のお住まいにうかがって医療行為を含む看護を提供するサービスのことです。
でも実際には、どんなことを自宅や施設でしてくれるのか、疑問に思いますよね?
今回は、そんな疑問にお答えします!
訪問看護サービスは主に10項目に分けられます
- 健康状態のチェックと日常生活の看護や支援
- 医療的ケア
- 病状悪化の防止(予防的看護)
- 入院(入所)・退院(退所)時の支援
- 認知症の方への看護
- 精神疾患を持つ方への看護
- エンドオブライフケア(終末期看護)
- リハビリテーション看護
- 重症心身障がい児者・医療的ケア児の看護
- 社会資源の活用支援や他の在宅サービスの紹介
(※公益財団法人日本訪問看護財団より改編)
これらの訪問看護サービスを、前半(1〜5項目)後半(6〜10項目)に分けて解説していきます。
1. 健康状態の観察・日常生活の看護
訪問看護師が行う基本的な看護として、「健康状態の観察」「日常生活の看護」があります。
それぞれについて細かくみてみましょう。
健康状態の観察
●全身の健康状態(体温・呼吸・脈拍・血圧・体重・皮膚の状態など)の確認
●全身状態の観察から考えられる、異常の早期発見
●病気や障害によって異なる症状の観察
●心の健康の確認とアドバイス(趣味・生きがい・隣人とのつながりなど)
●療養生活に影響を及ぼすものがあるかどうかの確認
訪問看護師がご自宅にうかがうと必ず行うのが、ご利用者の全身の健康状態の観察です。
入院中だと、病棟の看護師が毎日患者さんの体温や血圧を測っていますが、それらと同じことをご利用者の自宅でも毎回行います。
体温や血圧などの情報だけでなく、顔色や表情、体調のちょっとした変化も看護師は観察しています。
もし普段の様子とは違う、異常な様子や症状があれば、適宜主治医に状態を報告して、対応を検討します。
日常生活の看護や支援
●栄養・食事摂取のケア(食事介助、食生活の改善、脱水予防などのアドバイス)
●排泄のケア(トイレ介助、パッド交換、排泄の介助、尿留置カテーテルやストーマ管理)
●清潔のケア(清拭・更衣・洗髪・入浴の介助、口腔ケア)
●薬の管理(服用の介助、残薬の確認、作用・副作用の説明)
●療養環境の整備(ベッド周りの調整・ベッドシーツ交換)
●床ずれ(褥そう)の予防や処置(主治医に状態報告・適切な皮膚保護剤の選択)
ご利用者の病気や障害、日常生活の動作や介護度により、必要な看護や支援を行います。
とくにベッド上で療養されている方の排泄のケアや床ずれの予防、万が一床ずれができてしまった場合には、主治医と連携しながら、床ずれの処置を行います。
2. 医療的ケア
●主治医の指示による医療行為(点滴・注射・褥そう・傷の処置など)
●医療機器や医療器具を使用している人へのケア(経管栄養法管理・留置カテーテルの管理、在宅酸素療法・吸引・人工呼吸器の管理など)
●痛み、血糖コントロール、脱水などの症状観察と管理
●服薬管理
●全身状態の急な悪化などによる緊急時の対応(24時間体制)
●主治医への情報提供
●その他、主治医の指示による処置や検査
訪問看護師は、主治医の指示があれば、ご自宅で点滴注射などその他の医行為を行うことができます。
その他、多いケースとしては在宅酸素療法の管理や血糖測定・血糖コントロールへのアドバイスなどが挙げられます。
3. 病状悪化の防止
●床ずれ・関節の拘縮・肺炎・低栄養などの予防
●日常生活を健康的に送り、健康状態が悪化しないための支援
●寝たきりになるのを防ぐケア
自宅で療養生活を送る方の病気や障害の程度もさまざまです。
その方が目指す健康レベルが維持できるように、生活習慣の見直しから支援を行います。
4. 入院(入所)・退院(退所)・受診の支援
●退院または施設を退所するときの連携やサポート(病状把握・医療的ケア・在宅医療や看護体制の整備)
●入院または施設に入所するときの連携やサポート(在宅での様子や病状、看護・医療ケアの情報提供)
●1人で、または家族との受診する時の同行受診
●主治医・ケアマネージャー・行政機関など在宅医療を支える関係者との連携
「急に退院することになった」
「病状が悪化したので、一時的に入院することになった」
在宅療養を続けていると、病状や障害の悪化などにより、一時的に入院や施設への入所が必要となることがあります。
そのようなとき、入退院や施設入退所が円滑に進むように、病院・施設と訪問看護ステーションが情報提供など連携を行います。
5. 認知症の方への看護
(写真はイメージです)
●中核症状(記憶障害・日にちが分からないなどの見当識障害、理解力や判断力の低下など)
●認知症の特有の行動や心理症状に対する看護
●食事・睡眠など生活リズムの調整
●コミュニケーションの支援
●環境の整備や事故防止のケア
●介護をするご家族や介助者への支援
認知症をわずらう方が自宅で生活をするとき、日常生活のリズムが崩れる・薬がきちんと飲めない・身の回りのことができない・孤独を感じやすいなど、療養生活を送る上での問題が出てきます。
それらの問題が大きくなる前に、訪問看護師が自宅にうかがい健康状態や生活の問題点について確認しアセスメントを行います。
訪問看護サービスの 6.精神疾患を持つ方への看護〜は以降のブログでご紹介していきます。
訪問看護は24時間365日体制の在宅看護サービス
(写真はイメージです)
「訪問看護」と一口で言っても、提供できる看護サービスは様々です。
訪問看護ステーションによっても、その規模や機能から提供できるサービスも異なるでしょう。
(24時間365日体制を実施していない訪問看護ステーションもあります。)
今回のブログで取り上げた訪問看護サービスは、訪問看護ステーションが行う基本的なサービスともいえます。
訪問看護を依頼したいと思ったら、どんな看護サービスを提供しているのか事前に調べておいたり、ケアマネなどに確認しておいたりするとよいでしょう。
訪問看護ステーションのぞみの特徴は?
訪問看護ステーションのぞみも、今回取り上げたような基本的な訪問看護を行います。
さらに、以下の分野での訪問看護が特徴となります。
- 認知症やうつ病・統合失調症など精神科疾患を持つ方への看護
- エンドオブライフケア(終末期看護)
- 小児看護
- 短期間に別荘療養される方への看護
- 保険適用外(自費)での看護
その他、ご利用者それぞれの病気や障害、生活状況や介護状況に合わせて、他の事業所や医療機関と連携をしながら支援を行っています。
訪問看護についてご質問などありましたら、こちらよりお問い合わせください。
訪問看護ステーションのぞみ